CASAのこれからを考える。
この4月で、CASA PROJECTを始めてから7年目に突入します。
写真は、初めての作品「かさのいえ」を公園に勝手に設置したときのこと。
近くにいた子どもたちがいつのまにか中に入って、楽しそうに遊んでくれていました。
自分がつくったもので、誰かが喜んでくれる。とても嬉しかったのを覚えています。
CASA PROJECTのはじまりは、ただ「太陽の光にカラフルな布が透けたら、きれいだろうな」という思いから。
環境問題への意識とか、大量生産大量消費に対する疑問とかが全くなかった訳ではありませんが、
それよりも純粋に、「つくること」が楽しくて、活動を始めました。
お気づきの方もおられると思いますが、CASA PROJECTは大きな矛盾を抱えています。
「廃棄されてしまう傘を少しでも減らしたい」
「不用傘を使って、つくることを楽しみたい」
どちらも本心ですが、活動のモチベーションを保っているのは、今も変わらず、後者です。
楽しいから、つくる。創造の原点だと思います。
けれど、活動を続けていくにつれて見えてきた日本の傘の消費の現状を、見て見ぬふりは、私にはできない。
そうしてぐるぐると考えますが、結局、活動を続けていないと、
捨てられる傘のことを考えてもらうきっかけは生まれないし、つくることを楽しんでもらう時間も生まれないのだと、思うのです。
最近ちょこちょこと、「ソーシャルデザイン」と言われることがありますが、私は社会をデザインするなんて大それたこと、
しているつもりはありません。一人でそんなこと出来る訳ないし、残念ながらそんな正義感やボランティア精神も持ち合わせていません(笑)。
CASA PROJECTは今の社会の背景に妙にマッチする部分があるようで、ありがたいことにいろいろなご意見をいただきます。
「マネジメントをしっかりして、不用傘の供給先を確保して、製造先を見つければ、ビジネスとして成り立つのではないか」
ともよく言われます。でも私は、そこに魅力を感じることができず、むしろそれはすでに行われていることで長くは続かないと思うし、
それよりも先に行きたい、と思います。
「先」にあるのは、何なのか。まだまだこれから考えていかないと答えは見えませんが、
このCASA-reportはいろいろな可能性を秘めていると感じていて、CASA-memberのみんなと共に、これからもっと面白くしていきたいと思っています。
4月から府中市美術館で行う公開制作も、これからのCASA を考えていく上で重要な機会となる予感がしています。
これまで行き当たりばったりで考えて、つくってきたCASA PROJECTですが、
そろそろいろいろなことにじっくり向きあって考えるべきときが、きているようです。
(といいつつ、結局バタバタと走りながら考えるのだと思いますが…)
そんなこんなで、なかなかうまくまとまりませんが、7年目も楽しく活動を続けていきたいと思います。
こんなCASA PROJECTですが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
No.000 HOUKO