イイダ傘店さんの工房を見学してきました。

イイダ傘店さんの工房を見学してきました。

こんばんは、HOUKOです。

先日、とっても素敵な傘を制作されている「イイダ傘店」さんの工房にお邪魔してきました。

イイダ傘店さんは大学院のときに知って以来、いつかお話してみたいとあこがれの存在でしたが、

昨年秋の東京での展示会で思い切って自己紹介してしまったことを機にご縁が生まれました。

なんとなんと、もみじ市出展の際のタープの制作をさせていただいたのです!

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普段そこまでいい生地を縫う機会がないので、イイダさんの傘生地の奇麗さには本当に感動。

どの柄のモチーフも本当に素敵で(中にはおでん柄など面白いものもw)、ファンが多いのも納得。

詳しくはイイダ傘店さんのウェブサイトや書籍「イイダ傘店のデザイン」をご覧ください。

 

さて、お忙しい中お邪魔させていただいた工房は、横浜市内にあるかわいい一軒家。

中では飯田さんをはじめ5人のスタッフの方が作業をされていました。

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まずは、駒をカット。木型はご師匠様から譲り受けたそう。かっこいい!

生地のデザインは飯田さん。富士吉田など傘生地の産地で丁寧につくられています。

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続いて、縫製。

小さくてかわいい傘専用のミシン(下糸はなく、かぎ針編みのような縫い方をすることで伸び縮みする)でどんどん縫い繋げます。

(やはり、つゆ先側から縫う関西縫いに対し、関東では石突き側から縫うそう)

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一方で、ロクロ巻きやダボ巻きの作業も進みます。

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続いて、露先を一つずつ縫い付けます。防水のための蝋を塗る仕草がこれまたかっこいい。

(今は蝋引きの糸が作られているけれど、昔は毎回糸に蝋を塗っていたとか。)

飯田さんは露先もデザインされていて、国内にある露先の専門の業者さんにつくってもらっているそうですが、

近い将来なくなってしまうかもとのこと。なんとか作り続けてほしいです。

ちなみに露先は型でつくるものと棒の状態から旋盤で引いて形をつくるものがあるそうです。

あんな小さなものを旋盤で…すごいですね。見てみたい。

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続いて、傘の骨の石突きに天紙(これもオリジナル!)をかけ、駒(カバー)を被せます。

見せていただいたのは日傘でしたが、雨傘の場合は釘で打ち込むなどしっかりと防水をするそう。

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そして、親骨に露先をかけていきます。開いてみると…

パンとしっかり張った傘が!!!

生地の特徴によって張り具合はバラバラなので、何度も試作して最適な駒の大きさを決めているそうです。

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続いて、ネーム(巻き紐とも言うそう)を縫い付けます。

巻いて留めたときが、傘の正面とのこと。つける位置にも決まりがありました。

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そして、親骨に駒を縫い付ける作業。

1本につき2カ所、計16箇所をテンポよく縫い留めていきます。

この作業、中国製でもやはり人の手で行なわれているとのこと。いったい人件費はおいくらなのでしょうか。

そしてハンドルをつけて、最後に湯のし(湯気に生地を当ててピンと張ること。)をします。

飯田さんのお師匠様もこのようにされていたそう。スチームアイロンは使わないようです。面白いなあ。

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そして検品をして、問題なければ完成です。

知ってはいましたが、やはり本当にたくさんの行程を経て一本の傘が生まれることを実感。

CASA PROJECTでは傘を分解するところから始まりますが、傘が作られてきた時間を巻き戻しているような行為なのかと、

なんだか不思議な感覚を覚えました。

 

イイダ傘店さんの傘は本物の傘です。

春にはまた東京や京都などで展示会が開催されるとのことなので、

みなさんぜひ手に取ってみてみてくださいね。

http://www002.upp.so-net.ne.jp/iidakasaten/index-2.htm

 

最後になりましたが、飯田さん、スタッフのみなさま、

お忙しいところ見学させていただきありがとうございました!

 

No.000  HOUKO